日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリシギゾウムシ」の意味・わかりやすい解説
クリシギゾウムシ
くりしぎぞうむし / 栗鷸象虫
[学] Curculio sikkimensis
昆虫綱甲虫目ゾウムシ科に属する昆虫。日本各地のほかシッキムに分布する。体長6~10ミリメートル。濃褐色であるが、灰黄色の鱗毛(りんもう)に覆われ上ばねには淡褐色の鱗毛を交え斑紋(はんもん)をつくっている。吻(ふん)は長く伸び前胸より長い。触角や脚(あし)は赤褐色。クリの実の害虫として有名で、成虫は7月末ごろから現れ、秋になると雌はクリの若い実に長い吻を刺し込んで孔(あな)をあけ、そこに産卵する。幼虫は実の内部を食べて成長し、老熟すると丸い孔をあけて脱出し地上に落ち、土中に潜って蛹(さなぎ)になる。近似種にコナラシギゾウムシC. dentipes、ニセコナラシギゾウムシC. conjugalisなど。
[中根猛彦]