クリヤケシキスイ(その他表記)Carpophilus hemipterus

改訂新版 世界大百科事典 「クリヤケシキスイ」の意味・わかりやすい解説

クリヤケシキスイ
Carpophilus hemipterus

甲虫目ケシキスイムシ科に属し,世界に広く分布する。英名dried-fruit beetleと呼ばれるが,乾燥果実類だけでなく多くの穀類を食害することで知られる。日本では古くから厨(くりや),すなわち台所に発生するケシキスイとして知られる。コウジ菌などのカビ類が繁殖した穀物を好むため,みそ,しょうゆなどの醸造工場でしばしば大発生した。成虫は褐色で上翅の基部と後方半分は黄色。上翅の末端は切断状で腹部の2節が裸出する。体長3mm内外。5月ごろから出現し食品類や飼料産卵孵化(ふか)した幼虫は約2週間後には土中へもぐって蛹化(ようか)する。適温であれば年に2世代以上を繰り返す。幼虫は白色でやや平たい円筒形で胸脚がある。腹部の末端節に2対の突起があるが,背面に位置する1対はきわめて小さい。ニセクリヤケシキスイCarpophilus delkeskampiは本種に酷似するが,成虫はクリヤケシキスイよりもわずかに丸みを帯びる。琉球諸島に多い。
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世界大百科事典(旧版)内のクリヤケシキスイの言及

【ケシキスイ】より

…幼虫とともにクヌギなどの樹液に見られる。クリヤケシキスイCarpophilus hemipterusは体長が約3mm。貯蔵穀類の害虫として知られる。…

【ケシキスイ】より

…幼虫とともにクヌギなどの樹液に見られる。クリヤケシキスイCarpophilus hemipterusは体長が約3mm。貯蔵穀類の害虫として知られる。…

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