ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クルドファン州」の意味・わかりやすい解説 クルドファン〔州〕クルドファンKurdufān スーダン中央部の州。地名はヌビア語で「人」の意。州都はウバイド。標高約 500mの起伏する高原で,南部にヘイバーン山 (1325m) ,ダイル山 (1412m) などを擁するヌバ山脈,北部にはハルザ山 (1120m) などがある。熱帯性気候で,年降水量は南部で 900mm,北部ではほとんどなく,南部はサバナ,北部はヌビア砂漠に続き,中部と南西部には植物によって固定された砂が広大な砂丘をつくっている。古代ヌビア王国やクシュ王国の遺跡や 13世紀以前のキリスト教遺跡があるが,13世紀にはカネム=ボルヌ王国が勢力をふるい,14世紀にはエジプトの遊牧民が侵入した。 17世紀にはムサバート・スルタン領,1800年にはダルフルのスルタン領となり,21年エジプトがバーラーの戦いでスルタン軍を破って制圧した。 82~99年一時マフディーの反乱軍の支配下にあったが,99~1955年イギリス=エジプト共同統治領となった。住民の 70%はアラビア語系で,先住民とみられるヌビア語系は 25%程度。主要都市は州都のほかヌフード,ラハドがある。主要産物はアラビアゴムで,スーダン最大の産出品。ほかにアワ,ナンキンマメ,短繊維の綿花,家畜を産する。面積 38万 255km2。人口 309万 3294 (1983) 。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by