クレムリン武器庫博物館(読み)クレムリンぶきこはくぶつかん(その他表記)Oruzheinaya palata moskovskogo Kremlya

改訂新版 世界大百科事典 「クレムリン武器庫博物館」の意味・わかりやすい解説

クレムリン武器庫博物館 (クレムリンぶきこはくぶつかん)
Oruzheinaya palata moskovskogo Kremlya

ロシアの国立博物館で,装飾品の収蔵で知られる。16世紀にモスクワのクレムリン内に創設された武器の製造場兼収蔵庫を前身としている。17世紀にはイコンアトリエとしても用いられた。18世紀初頭ロシアの首都がペテルブルグに移ってからは,帝室所有の貴重品を収める宝物殿となり,1813年に博物館として発足した。現在ここには武器,防具類のほか,キエフ・ロシア時代の王冠をはじめ,代々のツァーリの玉座や衣服や馬車,金・銀製の食器,金糸真珠をちりばめた高位聖職者のための僧衣などが数多く収められている。その中には最後のツァーリであるニコライ2世の戴冠式に日本から贈られた象牙製の鷲や屛風も含まれる。2階建ての建物自体は1844-51年にK.コーンの設計で建てられたもの。同じ建物の中にダイヤモンドをはじめとする各種宝石の大規模なコレクションがあり,展覧に供されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 中村

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android