ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレージュ」の意味・わかりやすい解説
クレージュ
Courrèges, André
[没]2016.1.7. ヌイイシュルセーヌ
フランスの服飾デザイナー。未来志向の若者向けスタイルで 1960年代のパリのファッション界に名声を確立した。建築学校で学び,土木技師や空軍パイロットを経て,1948年にクリストバル・バレンシアガに弟子入りした。しだいに頭角を現し,1961年には独立して自身のブランドを立ち上げ,パリで最も独創的なデザイナーの一人と目されるようになった。特に 1964年に発表され,クレージュの代名詞となったスペースエイジコレクションは,懐古趣味を完全に排し,過激なまでの簡潔さを前面に出したデザインで,直線的な Aラインのミニスカート,ヒップハガーパンツ,ホルターネック(→ホルター・ネックライン)や透け素材のトップス,ビニル樹脂で縁どりしたスーツやコート,白いヘルメットやゴーゴーブーツなどを世に送り出した。白をトレードマークとしたが,シルバーメタリックや明色の幾何学模様も取り入れた。紳士服や香水にも進出したが,後年ブランドを売却し,30年以上にわたってパーキンソン症候群と闘いながら,絵画や彫刻の制作に力を注いだ。
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