クロロフェノール(読み)くろろふぇのーる(英語表記)chlorophenol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロロフェノール」の意味・わかりやすい解説

クロロフェノール
くろろふぇのーる
chlorophenol

フェノールの一つ。フェノールのベンゼン環に結合している水素1個を塩素で置換したもの。置換位置により3種の異性体がある。o(オルト)体は無色液体、m(メタ)、p(パラ)体は無色固体。いずれも、対応するクロロアニリン(塩素原子をもつアニリン)をジアゾ化したあと加水分解し合成する。p体はフェノールを塩化スルフリルにより塩素化しても合成できる。いずれも弱い酸性を示し、アルカリ水溶液には塩となって溶ける。o-クロロフェノールは染料中間体、農薬原料として使われ、p-クロロフェノールは殺菌消毒剤となる。

[谷利陸平]


クロロフェノール(データノート)
くろろふぇのーるでーたのーと

クロロフェノール

 分子式 C6H5ClO
 分子量 128.6
 融点  o-,9.3℃
     m-,32.8℃
     p-,43℃
 沸点  o-,174.5℃
     m-,214℃
     p-,218℃

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android