日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジアゾ化」の意味・わかりやすい解説
ジアゾ化
じあぞか
diazot(iz)ation
芳香族第一アミンを亜硝酸と反応させてジアゾニウム塩をつくる反応をいう。この反応をアニリンを例にとって示すと、次式のようになり、ベンゼンジアゾニウム塩を生成する。
この反応は1858年J・P・グリースにより発見され、この反応により生成するベンゼンジアゾニウム塩が、ジアゾカップリング反応、ザンドマイヤー反応などに広く利用されているので、有機合成化学においてきわめて重要である( )。この反応はアニリンだけでなく、一般に芳香族第一アミンで広くみられる。
実際のジアゾ化反応は、芳香族第一アミンを希塩酸などの無機酸の薄い水溶液に溶かして、氷冷しながら、亜硝酸ナトリウムの水溶液を加えていくという操作で行う。この際に酸を過剰に加えておかないと、ジアゾアミノ化合物を生成する副反応がおこる。反応を低温において行うのは、生成したジアゾニウム塩が次の反応式により窒素を放出して分解するのを防止するためである。
[廣田 穰]