日本大百科全書(ニッポニカ) 「グローズヌイ」の意味・わかりやすい解説
グローズヌイ
ぐろーずぬい
Грозный/Groznïy
ロシア連邦南西部、チェチェン共和国の首都。人口18万6000(1999)。カフカス山脈北麓(ほくろく)、テレク川支流スンジャ川の広い谷に位置する。北カフカス鉄道に沿い、空港がある。グローズヌイ油田の中心都市で、石油精製、発電、油井掘削機、石油化学などの工場があり、そのほか農産物缶詰製造、ぶどう酒醸造も行われる。総合大学ほか2校の高等研究教育機関、郷土博物館が置かれている。市の起源は1818年、ロシアのカフカス支配のための要塞(ようさい)構築に始まる。1870年に市制を敷き、近郊での石油採掘開始とともに人口が集中した。1999~2000年のロシア軍のチェチェン進攻によって、首都グローズヌイは破壊的な被害を蒙(こうむ)った。
[渡辺一夫]
グローズヌイ油田
1930~1950年代に次々と開発されたグローズヌイ市近郊数か所の油田の総称である。油質は炭素数が少なく炭化水素の成分が多い。石油のほか天然ガス(メタンが多い)の利用も進んでいる。主要油田であるザテレチヌイ、マルゴベク、オクチャブリスキーなどの油井からドンバス地方へパイプラインが通じている。
[渡辺一夫]