ゲームの理論と経済行動(読み)ゲームのりろんとけいざいこうどう(その他表記)Theory of Games and Economic Behavior

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲームの理論と経済行動」の意味・わかりやすい解説

ゲームの理論と経済行動
ゲームのりろんとけいざいこうどう
Theory of Games and Economic Behavior

ゲームの理論を確立した古典アメリカ合衆国の数学者ジョン・フォンノイマンと経済学者オスカー・モルゲンシュテルンの著作で,1944年刊。経済主体の行動から独立に行動する経済主体や完全競争を前提とする一般均衡理論の批判に基づいて(→一般均衡),ほかの経済主体の最大の利得最小にしようとする経済主体,確率的法則に基づく行動決定,多人数の場合の結託形成の定式化などを行ない,経済社会における経済行動を明らかにする協力ゲーム理論を構成した。一般的な公理系からフォン・ノイマン=モルゲンシュテルン効用関数を導出して基数的効用関数の一般性を論証し,新厚生経済学以降の基数的効用関数の復活を促した。

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世界大百科事典(旧版)内のゲームの理論と経済行動の言及

【ゲーム理論】より

…ゲームの理論theory of gamesとも呼ばれる。数学者J.フォン・ノイマンと経済学者モルゲンシュテルンO.Morgensternとの共著《ゲームの理論と経済行動》(1944)を出発点として発展した理論で,20世紀前半における最も輝かしい科学的業績の一つである。室内ゲームから,政治,経済,社会に至るさまざまな問題をゲームとして定式化して考察するが,ここでいうゲームとは,これらの問題を規定する1組のルールのことである。…

※「ゲームの理論と経済行動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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