日本大百科全書(ニッポニカ) 「コカクモンハマキ」の意味・わかりやすい解説
コカクモンハマキ
こかくもんはまき / 小角紋葉巻蛾
[学] Adoxophyes orana
昆虫綱鱗翅(りんし)目ハマキガ科に属するガ。はねの開張13~21ミリメートル。はねは細長く、前翅は茶褐色、1~2条の濃褐色帯をもつことが多い。ヨーロッパから日本までの広分布種で、全国的にごく普通にみられる。よく灯火に飛来する。最近の研究では、幼虫が広く落葉広葉樹や針葉樹の葉を食べ、北海道や本州の北部、中部でリンゴに寄生し、ほかの地域でナシなどにつく害虫をリンゴノコカクモンハマキとよび、チャそのほかの常緑広葉樹に寄生するものをチャノコカクモンハマキとよび、両者は近縁の別種であることが明らかとなった。チャノヒメハマキという別名は後者を示す。従来カクモンハマキに使われていた学名は、リンゴノコカクモンハマキに適用される。
[井上 寛]