日本大百科全書(ニッポニカ) 「コガネバナ」の意味・わかりやすい解説
コガネバナ
こがねばな / 黄金花
[学] Scutellaria baicalensis Georgi
シソ科(APG分類:シソ科)の多年草。茎は四角形で基部が横にはい、上部は直立し、分枝が多く、高さ20~50センチメートル。葉は対生し、披針(ひしん)形、全縁で先はとがり、基部は円形で、茎の上部につくものほど小さい。葉柄はきわめて短い。7、8月に総状花序を頂生し、青紫色、二唇形の花を一側に向かって開く。花冠は長さ1.5~2.5センチメートルで筒部は長く、基部より著しく曲がり直立する。萼(がく)は二唇形で、上唇に円形の隆起がある。雄しべは4本、うち2本は長い。雌しべは1本で子房は深く4裂する。主根は円錐(えんすい)形でしっかりしており、内部は黄色で、コガネバナ、別名コガネヤナギは根の色による。日当りのよい乾燥した山地によく生え、中国、モンゴル、朝鮮半島北部、シベリア東部に分布する。
漢方では根を黄芩(おうごん)と称し、解熱、利尿、止瀉(ししゃ)、利胆、消炎剤としてよく用いる。フラボン誘導体のバイカレイン、オウゴニンなどが配糖体として含まれている。
[長沢元夫 2021年9月17日]