日本大百科全書(ニッポニカ) 「コニョンコフ」の意味・わかりやすい解説
コニョンコフ
こにょんこふ
Сергей Тимофеевич Конёнков/Sergey Timofeevich Konyonkov
(1874―1971)
ロシアの彫刻家。農民の子として生まれ、モスクワの絵画・彫刻・建築学校とペテルブルグの美術アカデミーに学ぶ。若くしてパリ、ローマ、フィレンツェを訪れ、ミケランジェロの作品に感動した。『サムソン』『ニケ』『スラブ人』などで革命前に一家をなし、革命後は1924年から45年までアメリカに亡命、その後帰国した。この間ゴーリキー、ドストエフスキー、パブロフなどの肖像をつくった。晩年には『ニーノチカ』や『ムソルグスキー』(1953)を制作している。石膏(せっこう)のほか、木や大理石を素材としたものが多い。亡命美術家が帰国して晩年まで仕事をした数少ないケースであった。
[木村 浩]