化学辞典 第2版 「コバルト触媒」の解説
コバルト触媒
コバルトショクバイ
cobalt catalyst
コバルトの触媒作用を利用した触媒.コバルトの酸化物あるいは硫化物は水素,酸素,窒素を活性化し,金属コバルトまたはラネーコバルトは水素化触媒として使用される.しかし,その作用は金属ニッケルに似ていて,一般にニッケルより高価であり,活性は低いので,ニトリルの還元を除き,水素化用の用途はあまりない.工業的には,石油留分の水素化脱硫にモリブデンとの複合硫化物系が使われている.また,フィッシャー-トロプシュ合成による炭化水素合成には,鉄を含む多元触媒が使用されている.また,酸化コバルトは各種酸化物中で最高の酸化活性を示す.コバルトの有機酸塩は,炭化水素の液相酸化触媒として有名である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報