コンクリート版を道路の路面に用いる舗装。その下に砕石や砂利、砂などをよく締め固めた路盤を置く。版の厚さはどの部分も一様とし、交通量、コンクリートの強度および路盤の支持力によって厚さを設計する。温度変化による版の収縮、膨張、および版の表面と底面の温度差による反りによって生ずる力を軽減するために、版には横目地と縦目地を入れる。またコンクリート版全体の補強のために、太さ5ミリメートル程度の鉄鋼を版の表面下5~7センチメートルの位置に入れる。急勾配(こうばい)の所では滑り止めのための浅い溝をつけることが多い。
[吉川和広]
日本では施工期間や施工方法の容易性、費用の観点からアスファルト舗装が用いられることが一般的であるが、コンクリート舗装はたわみに強く耐摩耗性に優れており、空港や港湾のように重車両が利用する場所、トンネルや急傾斜の坂道など舗装の補修が困難な場所で用いられている。
[小林潔司]
…人や車両の通行に便利なように道路の表面を強化したものをいう。広い意味では砂利道や,防塵処理を施した路面,コンクリート,石,煉瓦などのブロックを並べたものを含めるが,一般には基礎となる路盤および2~3cm以上の厚さの表層をもつアスファルト舗装,または路盤とその上の大きなコンクリート版からなるセメントコンクリート舗装を指す。
[歴史]
古代バビロニア,古代ギリシアなどの諸都市では石畳による舗装がなされていたが,大規模な舗装は古代ローマに始まる。…
※「コンクリート舗装」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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