岩石学辞典 「コンボリュート層理」の解説 コンボリュート層理 ある単位の層中にみられる波状または波状に強く歪められた形の葉理構造で,下方または上方に次第に消失するもの[木村ほか : 1973].地層中の構造の一つで,波形にラミナが流動変形することが特徴で,上に凸な部分が鋭角的に尖り,下に凸な部分は幅広い丸型ないし箱型を呈する.細粒砂岩や粗粒シルト岩に多く産出する.一般に上方および下方に流動変形し弱まり消失する.約0.1mの厚さの葉層内の単層内部に見られる波状または波状に捩れた葉層である.この葉層はしばしば0.1mの波長の褶曲の頂上部分と溝部分を連続的に覆っている.褶曲は層の頂上部と底部に向って消滅する.溝部は円く広くなり,頂上部は狭く,ときにひっくり返るものがある[Kuenen : 1952, Allen : 1960, Dzulynski & Walton : 1965].ある単位の層中に見られる波状または波状に強くゆがめられた形の葉理構造で,下方または上方に次第に消失するもの.タービダイトの単層の上部にしばしば見られ,地層の向きを知るのに有効である[木村ほか : 1973].他に縮緬皺層理(crenulated bedding)[Shrock : 1948],crinkled bedding, 巻毛状層理(curled bedding)[Fearnsides : 1910],滑り層理(slip bedding)[Henderson : 1935,Kaiazkiewicz : 1950]などはすべて同義.英語のconvoluteは輪状に巻き込むの意味. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報