日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴフマン」の意味・わかりやすい解説
ゴフマン
ごふまん
Erving Goffman
(1922―1983)
アメリカの社会学者。カナダに生まれたが、のちにアメリカに移住した。トロント大学を卒業し、シカゴ大学大学院に学ぶ。1953年に学位を取得。カリフォルニア大学の教壇にも立ったが、1968年来ペンシルベニア大学において人類学と社会学を講じた。役割概念を分析用具として日常生活や相互作用、状況などの記述的研究を行った。「社会生活のドラマツルギー」「忘れられた人間の社会学」ともいえる彼の業績には、デュルケーム、クーリーやミード、シカゴ学派による職業の実証的研究、サルトルなどの影響がみられる。主著に『The Presentation of Self in Everyday Life』(1959/邦訳名『行為と演技』)などがある。
[山岸 健]
『石黒毅訳『行為と演技』(1974・誠信書房)』▽『E・ゴッフマン著、丸木恵祐・本名信行訳『集まりの構造』(1980・誠信書房)』