日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴールドステイン」の意味・わかりやすい解説
ゴールドステイン
ごーるどすていん
Joseph Leonard Goldstein
(1940― )
アメリカの遺伝学者。サウス・カロライナ州サムターに生まれる。ワシントン・アンド・リー大学で化学を学び、1962年に卒業、テキサス大学で1966年に医学博士号を取得した。同年ボストンのマサチューセッツ総合病院でインターンを務め、1968年にアメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)に移り、M・W・ニーレンバーグの研究室に勤務した。1970年NIHの特別研究員としてワシントン大学で研究を続け、1972年テキサス大学の助教授に就任、1974年準教授、1976年教授に昇格、1977年分子遺伝学の主任教授になった。
ゴールドステインとM・S・ブラウンはマサチューセッツ総合病院以来の友人で、共同でコレステロールについて研究を行った。とくに家族性コレステロール血症に注目し、その原因究明を目ざした。彼らは、その研究の過程で、LDL(low-density lipoprotein、低比重リポタンパク質)レセプターの存在を発見、コレステロール代謝作用において、それが果たす役割を解明した。そして家族性高コレステロール血症がLDLレセプターの異常によるものであり、さらにその異常が遺伝子の欠損によって引き起こされることを明らかにした。この業績によって、1985年のノーベル医学生理学賞をブラウンとともに受賞した。
[編集部 2018年7月20日]