サウゾル(読み)さうぞる(その他表記)Aidan William Southall

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サウゾル」の意味・わかりやすい解説

サウゾル
さうぞる
Aidan William Southall
(1920―2009)

イギリスの人類学者。長期に東アフリカでの調査研究に従事し、またウガンダマケレレ大学で長く教鞭(きょうべん)をとった。彼の業績のうち特筆すべきものに、都市人類学の基礎を開いた点と伝統的社会の政治体系の分類への貢献をあげることができる。ウガンダの民族集団アルールの調査をもとにして、彼は、伝統的政治体系に、エバンズ・プリチャードフォーテスらによる2類型、つまり中央集権的な統治機関をもつAタイプと、それを欠く分節的なBタイプの二つのほかに、両者の中間的な分節的国家というタイプが存在することを示した。分節的国家とは、中央の統治機関と同じ構造が下位単位にいっても反復され、全体的な統合の弱いピラミッド型の政治体系をいう。彼によると、アフリカの伝統的な首長国、王国のほとんどはこの類型に属するという。

[濱本 満 2018年11月19日]

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