ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サッタール・ハーン」の意味・わかりやすい解説
サッタール・ハーン
Sattār Khān
[没]1914. テヘラン
イラン立憲革命の英雄。立憲派から「国民英雄」の称号を与えられた。 1908年の反革命クーデター以後,タブリーズ市は専制政府軍によって包囲されたが,市民が武装蜂起して立憲制擁護の拠点となった。この武装蜂起の指導者がサッタール・ハーンであった。彼は馬匹仲買人の出身で無学文盲であったが,射撃の名手で,市内のアミール・ヘーズ地区に陣取り,次第にモジャーヘダーン (市民軍) の陣地を広げた。当時彼の名はヨーロッパだけでなく,北アフリカのモロッコにまでとどろいた。彼とともに戦った英雄に,同じく無学の石工バーゲル・ハーンがいる。立憲制回復後,テヘランに呼出されたが,立憲政府の武器押収令に反対した事件に巻込まれて弾丸を足に受け,その傷がもとで死んだ。
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