日本大百科全書(ニッポニカ) 「サトウナツメヤシ」の意味・わかりやすい解説
サトウナツメヤシ
さとうなつめやし
date sugar palm
[学] Phoenix sylvestris Roxb.
ヤシ科(APG分類:ヤシ科)フェニックス属14種中の1種。インド原産。種名のシルベストリスはラテン語の森林生の意味。幹は単一で直立し、高さ7.5~12メートル、径40~50センチメートル。葉は羽状葉で灰緑色、長さ3~5メートル、小葉が多数あり円形の葉冠をなす。小葉はしっかりしたV字状で長さ5~45センチメートル、幅2~2.5センチメートル、葉柄は6~12センチメートル、葉の先端は刺(とげ)となる。雌雄異株。雌花は径5ミリメートルの球形で、葯(やく)のない雄しべがあり、雌しべは舌状で柱頭は萼(がく)から露出する。雄花は白色で芳香があり、長さ60~90センチメートルの肉穂花序をなし、中央に未発育の不稔(ふねん)の雌しべがある。果実は楕円(だえん)形で橙(だいだい)色、長さ2.2センチメートル、径1.3センチメートル、種子は片側に広い溝があり、反対面の中央に胚(はい)がある。花柄の切り口から分泌する樹液を煮つめて砂糖をつくる。
[佐竹利彦 2019年4月16日]