サハの電離平衡式(英語表記)Saha's formula for dissociation equilibrium

法則の辞典 「サハの電離平衡式」の解説

サハの電離平衡式【Saha's formula for dissociation equilibrium】

1920年にインドの物理学者サハが,ネルンストの化学平衡論を気体状原子へ応用した結果として導いたものである.

Ar ⇔ A(r+1)++e

イオン解離平衡の平衡定数 Kr は,UrT),Ur+1T) をそれぞれ r 次,および r+1次に電離したイオンの分配関数としたとき,

のように表現できるとした.ここでAr は気体原子Aから r 個の電子を失ったイオンを指し,m は電子の質量,k はボルツマン定数,T は絶対温度,χrr 次のイオンが r+1次のイオンへと電子を放出(解離)するときのエネルギーである.ラングミュア‐サハの公式*も参照.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android