改訂新版 世界大百科事典 「サフェリー」の意味・わかりやすい解説
サフェリー
Roelant(Ruelandt)Savery
生没年:1576-1639
フランドル出身の風景画家。コルトレイクで生まれた。1604-12年,プラハで皇帝ルドルフ2世の宮廷画家として活躍し,宮廷動物園で熱帯の珍しい動物を観察。06-08年,チロルに赴き,アルプスの山岳風景をスケッチする。14年ウィーンでルドルフ2世の弟の皇帝マティアスに仕えた後,ユトレヒトに定住。神話や聖書のイメージを用い,密林や森に生息するエキゾティックな動植物を描きこんだ幻想的な風景画を得意とした。その様式はブリューゲル(父)やボルHans Bol,ファン・コニンクスローなどの影響を受ける。88点のブリューゲルの《実景より》の素描がサフェリーの作品とする学説(1970)以来,美術史上急速に注目を浴びるようになる。
執筆者:森 洋子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報