チロル(読み)ちろる

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チロル」の意味・わかりやすい解説

チロル
Tirol

東部アルプス山地の西部,エツターラーアルペンの南と北に広がる地方名。本来はメラノ (現イタリア北部) 近郊のチロル城を本拠とするチロル伯領地をさした。北,東,南の3地方に分れ,南チロルは第1次世界大戦後イタリア領 (現トレンティノアルトアディジェ州) となり,北,東の両地方がオーストリアのチロル州をなしている。前 15年ローマの属州となったが,6世紀になってバイエルン人に占領され,8世紀以後フランク王国,のち神聖ローマ帝国領となった。その後トレント,ブリクセン両司教の統治を経て,11世紀にチロル伯の領地となったが,1233年チロル家が断絶,1363~1918年ハプスブルク家領。住民たちは独立心が強く,16世紀の宗教改革に際しては農民戦争を起し,1805年ナポレオン1世がチロルをフランスとバイエルンの支配下に入れたときにも反乱を起してこれに抵抗した。古くから独特の文化がはぐくまれ,すぐれた造形美術,農民文学,農民芝居を有するとともに,特殊な風俗をも残している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チロル」の意味・わかりやすい解説

チロル
ちろる

チロール

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