ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サモディ諸族」の意味・わかりやすい解説 サモディ諸族サモディしょぞくSamodii 旧称サモイェードまたはサモエード族。シベリアの北西部,エニセイ川,オビ川の下流域から極北部にかけて居住するサモディ語系の先住民の総称。ネネツ族,ガナサン族,エネツ族,セリクプ族が含まれ,人口は全体で約4万。旧称のサモイェードは今日使われなくなっている。サモディ諸語はフィン=ウゴル語派と親縁関係にあり,ウラル語族に属する。生業はトナカイ飼養,狩猟 (沿海では海獣狩猟) ,漁労などで,特に南のセリクプ族では定住生活を伴う河川での漁労が行われた。社会組織上は父系氏族制がみられ,氏族固有の領域,経済組織,聖所,墓地があった。また,それらの氏族が2つの外婚的な胞族を構成していた。宗教的にはシャーマンが祭儀,治療,占いにたずさわった。今日でも,基本的には伝統的な生業形態が受継がれている。近年まで南シベリアのサヤン山麓にもサモディ語を話す民族がおり,サモディ諸族の故地がこの地方であったことが認められる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by