改訂新版 世界大百科事典 「サリュソフォーン」の意味・わかりやすい解説
サリュソフォーン
sarrusophone
管楽器の一種。フランスの軍楽隊長サリュスW.Sarrusの考案によりP.L.ゴトロが製作,1856年特許。シンチュウ製,末広がりの円錐管をダブル・リードで鳴らすもので,長さの割に太い。小型の高音楽器から大型の低音楽器まで,基調を変ロ,変ホのいずれかにとって,整然とした一系列を成すように作られたが,最低音のコントラバスだけは変ホ,変ロの両種のほか,ハのものもある。考案意図は合理的な設計によるダブル・リード楽器によって吹奏楽などの充実を図ることにあり,サクソフォーンの成功に刺激されたものであろう。結局はあまり普及せずに終わったが,コントラバスだけは生き残っており,音の安定度も扱いやすさもコントラファゴットにまさるとする説もある。
執筆者:関根 裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報