日本大百科全書(ニッポニカ) 「コントラファゴット」の意味・わかりやすい解説
コントラファゴット
こんとらふぁごっと
contrabassoon 英語
double bassoon 英語
Kontrafagott ドイツ語
contrebasson フランス語
contrafagotto イタリア語
ダブルリードの木管最低音楽器。木製または金属製。ダブルバスーンともよばれる。ファゴットよりもさらに8度低い、B♭0から2オクターブ以上の音域をもつ。この楽器は17世紀につくられたとされるが、現在の形は19世紀後半にヨハン・A・ヘッケルが考案した。約6メートルの管を縦に4本束ねたように曲げた形で、かなり重いため、底部に支柱ピンを取り付け、抱えるようにして演奏される。合奏のなかで低音を補強する使われ方が多いが、ラベルの管弦楽曲『マ・メール・ロア』の「美女と野獣の対話」では、野獣の主題に独奏で用いられている。
[前川陽郁]