されば

精選版 日本国語大辞典 「されば」の意味・読み・例文・類語

され‐ば

  1. [ 1 ] 〘 接続詞 〙
    1. 先行事柄の当然の結果として、後続の事柄が起こることを示す。順接。そうであるから。そうだから。それゆえ。しかれば。
      1. [初出の実例]「かの読み給ひける歌の返し、箱に入れて返す。名残りなく燃ゆと知りせば皮衣思ひの外におきて見ましを、とぞありける。されば帰りいましにけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 先行の事柄から話題を転じたり、新しく事柄を説き起こしたりする時に用いる。さて。ところで。
      1. [初出の実例]「されは、とかく申進る人のありけるにや」(出典:太平記(14C後)二)
    3. 意外なことなどを述べる時、強い感情をこめて用いる。それでは一体。そもそも。
      1. [初出の実例]「つくろひなどして、おりさせたまひけるに、いささかさりげなくて、きよらかにてぞおはしましし。されば、さばかり酔なん人は、そのよは、おきあがるべきかは」(出典:大鏡(12C前)四)
  2. [ 2 ] 〘 感動詞 〙 相手のことばが思うつぼにはまった時、受けて答える語。さよう。いや。そのことだ。
    1. [初出の実例]「『さて静はなにとかなり給ふべき。返すがへすも痛はしうこそ候へ』『されば唐土の吉野山に籠もるとも、遅れじとこそ思ひしに』」(出典:謡曲・吉野静(1423頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android