日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
サンタ・チェチーリア音楽院
さんたちぇちーりあおんがくいん
Accademia di Santa Cecilia
ローマでもっとも有名な音楽学校。名称はローマおよび音楽の守護聖人の聖女チェチーリアにちなむ。1566年設立とされる。ローマ音楽家協会の教育機関として発足、当初はパンテオンに本部を置いていたが、のちに市内の教会を転々とし、一時ローマ教皇の支援を受けたこともあった。19世紀初め、教会音楽の衰退とともに協会の活動は低調となったが、教育中心へと脱皮し、1876年に音楽の中等学校になった。1919年に国立の音楽院と変わったが、同時に独自の音楽専門家育成課程を有するようになり、優れた音楽家を輩出している。教員を主体としたオーケストラと合唱団があり、音楽院内のホールや市内の各地で演奏会を行っている。
[美山良夫]