日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
サンティアゴ・デ・キューバ
さんてぃあごできゅーば
Santiago de Cuba
西インド諸島、キューバ南東部にあるハバナに次ぐ港湾都市。サンティアゴ・デ・キューバ州の州都。人口47万2255(1999)、43万3494(2019推計)。シエラ・マエストラ山脈山麓(さんろく)のカリブ海に面するマエストラ湾岸に位置する。1589年ディエゴ・ベラスケスにより建設された古都で、16~17世紀は海賊の襲撃が繰り返され、密貿易の拠点であった。18世紀末のハイチ革命により亡命してきたフランス人によってサトウキビ栽培が拡大した。町にはスペイン(とくに南スペイン)、フランス風の建物が残っている。1898年停泊中のスペイン艦がアメリカにより攻撃されアメリカ・スペイン戦争に発展した。また、1953年フィデル・カストロが率いる武装した青年たちがこの地のモンカダ兵営を襲撃し、キューバ革命の発端となった。現在は、マンガン、銅などの鉱産物やコーヒー、粗糖、タバコの積出し港であり、パナマ国際航路の中継港。キューバ縦貫道路の東の起点である。オリエンテ大学がある。
[栗原尚子]
世界遺産の登録
キューバのサンティアゴ・デ・キューバ州には以下の世界遺産が存在する。「サンティアゴ・デ・キューバ(クーバ)のサン・ペドロ・デ・ラ・ロカ城」(1997年、文化遺産)、「キューバ南東部のコーヒー農園発祥地の景観」(2000年、文化遺産)がユネスコ(国連教育科学文化機関)により世界遺産に登録されている。
[編集部]