サージタンク(その他表記)surge tank

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サージタンク」の意味・わかりやすい解説

サージタンク
surge tank; surge chamber

一種の圧力吸収装置で,たとえば,水力発電所で上水槽と水車とを連結する水圧管水撃作用を緩和するために水圧管の下端近くに設ける上方に開いた高いタンク。この部分に水位上昇を起させて水圧管を保護する。構造によって単動型,差動型,制水孔型,水室型などに分けられる。

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世界大百科事典(旧版)内のサージタンクの言及

【水力発電】より

…また,ダム式の場合池の水位は河川の流況と発電所の使用水量によって上下に変動するので,年間の発電所の運用を検討し,水位の変動範囲を決め,その間の変動に対して発電所の運転に支障がないように設計が行われる。
【土木設備】
 水力発電所の土木設備としては,取水または貯水のためのダム,取水・導水のための取水口および導水路,導水中の土砂を沈降排出させるための沈砂池,導水路の末端と水圧管路との接続部に設けられる水槽またはサージタンク,水槽またはサージタンクから水車に導水するために敷設される水圧管路鉄管,水車を通った水を河川などに放流する放水路などがある。水車への水量の調整は弁の開閉によって行われ,また水車や発電機などの事故時に急速な閉鎖を行う。…

【ダム】より

…すなわち,流込み式発電では,発電所の水圧鉄管との間に取水口に続いて流入した土砂を沈殿させる沈砂池,導水路と水圧鉄管の接合点に負荷の急変に応じさせるためのヘッドタンク,発電所停止の場合や発電所の使用水量より多い流入水を流すための余水路などが設けられる。調整池式発電のときは,調整池からサージタンクに導水する圧力導水路,発電所急停止のとき管路に発生する大きな水撃作用の緩和と負荷の増減に応じて水量の補給・貯留を行うサージタンクが設けられる。貯水池式発電では取水口から圧力管路で発電機に結ばれる。…

※「サージタンク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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