ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サーデッディン」の意味・わかりやすい解説
サーデッディン
Sadeddin, Hoca
[没]1599
オスマン帝国の学者。シェイヒュル・イスラム (イスラム最高法官) 。セリム1世時代の著名なシェイヒュル・イスラム,ハサン・ジャンの息子。イスタンブールで教育を受け,1563年,ムラト3世の師となり,ムラト3世退位 (1595) 後も帝師として名声をほしいままにした。 1598年シェイヒュル・イスラムとなり,国政にも大いに貢献した。著書『歴史の王冠』 Tâc-üt-Tevârîhは,オスマン帝国の建国からセリム1世時代までを含む年代記で,文学的にも価値が高く,オスマン朝時代の代表的な歴史叙述形式をもつ。 1863年にイスタンブールで出版。フランス語,ロシア語,ラテン語の翻訳がある。
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