相場操縦(読み)ソウバソウジュウ

デジタル大辞泉 「相場操縦」の意味・読み・例文・類語

そうば‐そうじゅう〔サウばサウジユウ〕【相場操縦】

不正な手段により、証券取引所金融商品取引所)または商品取引所における相場を人為的に変動または固定させる行為金融商品取引法で禁止されている。

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共同通信ニュース用語解説 「相場操縦」の解説

相場操縦

証券市場株価などを意図的に維持したり変動させたりする行為。投資家判断を誤らせて損害をもたらし、市場を混乱させる恐れがあり、金融商品取引法で禁止されている。見せ掛けの注文を出して第三者の取引を誘引する「見せ玉」や、同時に売りと買いの注文をする「仮装取引」、売り主と買い主が価格を事前に打ち合わせる「なれ合い取引」などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「相場操縦」の意味・わかりやすい解説

相場操縦 (そうばそうじゅう)

有価証券の相場を人為的に操作すること。株式相場に関しては一般に株価操作と呼ばれる。証券市場の公正を害するものとして禁止される。ただし,有価証券の募集または売出しを容易にするための安定操作は,有用な目的を有するものとして,一定ルールに従うものに限り許される。

 証券取引法は,有価証券市場または店頭市場における相場操縦に関し,(1)有価証券市場または店頭市場における売買取引を誘引する目的で,有価証券の相場が自己もしくは他人の市場操作により変動することを流布し,または有価証券の売買取引をなすにつき重要な事項について虚偽もしくは誤解をもたらす表示をすること(159条2項2,3号,4項),(2)有価証券の売買取引の状況に関し他人に誤解を生じさせる目的で,権利の移転を目的としない仮装の売買取引をしまたは他人と通謀して同時期に同価格で有価証券の買付と売付をすること,またはこれらの行為の委託または受託をすること(159条1項,4項)ならびに,(3)有価証券市場または店頭市場における売買取引を誘引する目的をもって,単独でまたは他人と共同して有価証券の売買取引が繁盛であると誤解させまたはその相場を変動させるべき一連の売買取引またはその委託もしくは受託をすること(159条2項1号,4項)を禁止している。同法はまた,有価証券の取引につき,不正の手段,計画または技巧をなすことならびに有価証券の取引を誘引する目的をもって虚偽の相場を利用することを違法とする(157条1,3号)。そのうえ,同法およびその下でのいわゆる健全性省令(略称)は,証券会社またはその役員もしくは使用人が特定の銘柄の有価証券について,実勢を反映しない作為的相場(人為相場ともいう)を形成させるべき一連の売買もしくはその委託をしまたは実勢を反映しない作為的相場が形成されることとなることを知りながら一連の売買の受託をすることを違法とする(証券取引法50条6号,〈証券会社の健全性の準則等に関する省令〉1条3号)。

 相場操縦に対しては刑事制裁が科される(証券取引法197条2号)のみならず,民事責任が問われ(証券取引法160条,民法709条),行政処分が行われる(証券取引法35条1項2号)。
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