さ寝(読み)サネ

デジタル大辞泉 「さ寝」の意味・読み・例文・類語

さ‐ね【さ寝】

《動詞「さぬ」の連用形から》寝ること。特に、男女が共寝すること。
「まかなしみ―には行く鎌倉水無瀬川みなのせがは潮満つなむか」〈・三三六六〉

さ・ぬ【さ寝】

[動ナ下二]寝る。特に、男女が共寝する。
「―・ねむとはあれは思へど」〈・中・歌謡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「さ寝」の意味・読み・例文・類語

さ‐・ぬ【さ寝】

  1. 〘 自動詞 ナ行下二段活用 〙 ( 「さ」は接頭語 )
  2. 寝る。
    1. [初出の実例]「鶴(たづ)が鳴き葦辺をさして飛び渡るあなたづたづし独り佐奴礼(サヌレ)ば」(出典万葉集(8C後)一五・三六二六)
  3. 特に、男女が共寝する。
    1. [初出の実例]「愛(うるは)しと 佐泥(サネ)し佐泥(サネ)てば 刈薦(かりこも)の 乱れば乱れ 佐泥(サネ)し佐泥(サネ)てば」(出典:古事記(712)下・歌謡)

さ‐ね【さ寝】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さ」は接頭語。「ね」は下二段動詞「ぬ」の連用形の名詞化 ) 寝ること。特に、男女がいっしょに寝ること。
    1. [初出の実例]「ま愛(かな)しみ佐禰(サネ)に我(わ)はゆく鎌倉の美奈の瀬川に潮満つなむか」(出典:万葉集(8C後)一四・三三六六)

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