さ寝(読み)さぬ

精選版 日本国語大辞典 「さ寝」の意味・読み・例文・類語

さ‐・ぬ【さ寝】

〘自ナ下二〙 (「さ」は接頭語)
① 寝る。
万葉(8C後)一五・三六二六「鶴(たづ)が鳴き葦辺をさして飛び渡るあなたづたづし独り佐奴礼(サヌレ)ば」
② 特に、男女が共寝する。
古事記(712)下・歌謡「愛(うるは)しと 佐泥(サネ)し佐泥(サネ)てば 刈薦(かりこも)の 乱れば乱れ 佐泥(サネ)し佐泥(サネ)てば」

さ‐な・す【さ寝】

〘自サ四〙 (「さ」は接頭語。「なす」は「寝(ぬ)」の尊敬語) おやすみになる。寝ていらっしゃる。寝(な)す。
※万葉(8C後)五・八〇四「をとめらが 佐那周(サナス)板戸を 押し開き い辿(たど)り寄りて 真玉手の 玉手さし交へ さ寝し夜の」

さ‐ね【さ寝】

〘名〙 (「さ」は接頭語。「ね」は下二段動詞「ぬ」の連用形名詞化) 寝ること。特に、男女がいっしょに寝ること。
※万葉(8C後)一四・三三六六「ま愛(かな)しみ佐禰(サネ)に我(わ)はゆく鎌倉の美奈の瀬川潮満つなむか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「さ寝」の意味・読み・例文・類語

さ‐ね【さ寝】

《動詞「さぬ」の連用形から》寝ること。特に、男女が共寝すること。
「まかなしみ―には行く鎌倉の水無瀬川みなのせがはに潮満つなむか」〈・三三六六〉

さ・ぬ【さ寝】

[動ナ下二]寝る。特に、男女が共寝する。
「―・ねむとはあれは思へど」〈・中・歌謡〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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