水無瀬川(読み)ミナセガワ

デジタル大辞泉 「水無瀬川」の意味・読み・例文・類語

みなせ‐がわ〔‐がは〕【水無瀬川】

[名]水のない川。また、川床だけあって水が地下を流れている川。みなしがわ。
「うらぶれて物は思はじ―ありても水は行くといふものを」〈・二八一七〉
[枕]地下を流れる川の意から、「下」にかかる。
「恋にもそ人は死にする―下ゆあれす月に日にに」〈・五九八〉

みなせ‐がわ〔‐がは〕【水無瀬川】

大阪府北東部、三島郡島本町を流れ、淀川に合流する川。[歌枕
「見わたせば山もとかすむ―夕べは秋となに思ひけむ」〈新古今・春上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「水無瀬川」の意味・読み・例文・類語

みなせ‐がわ ‥がは【水無瀬川】

[1] 水の流れていない川。川床だけあって、水は伏流となって地下にもぐってしまうような川。また、水の非常に少ない川。水無瀬。みなしがわ。
万葉(8C後)一一・二八一七「うらぶれて 物は思はじ 水無瀬川(みなせがは) 有りても水は 行くといふものを」
[2] (一)の水は地下を流れるところから、「下(した)」にかかる。
※万葉(8C後)四・五九八「恋にもそ人は死にする水無瀬河(みなせがは)下ゆ吾れ痩す月に日に異(け)に」
[3] 大阪府三島郡島本町を流れる川。大字広瀬で淀川に合流する。

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日本歴史地名大系 「水無瀬川」の解説

水無瀬川
みなせがわ

島本町北端にある釈迦しやか岳に発し、同町大沢おおさわ尺代しやくだい高槻たかつき川久保かわくぼ山地を蛇行しつつ、島本町東大寺とうだいじのイロコケ山東端で平坦地に出、南東流して広瀬ひろせ地区で淀川に合流。おもな支流は川久保川と尺代川で、全長九・四キロ、流域面積一七・四平方キロ。上・中流域には谷底平野の地形はほとんどみられず、河岸段丘の発達も悪く、尺代付近に小規模にみられるにすぎない。下流平坦地は、淀川までの距離が約一・五キロと短く、下流平野の発達は明瞭でない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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