改訂新版 世界大百科事典 「ザミア」の意味・わかりやすい解説
ザミア
Zamia
ソテツ科の植物。北アメリカ・フロリダ,メキシコからアンデス山脈沿いにチリ北部まで,およびカリブ海の諸島に28種が分布する。幹は短く20~30cm。大部分は地下に埋もれ,地上に出るのは数cmから20cmどまり。幹肌はユッカに似て,ソテツのような葉柄基部が残らない。葉は1回羽状に分裂し,羽片は長さ3~30cm,幅0.6~4cm,表面にはつやがある。先端部には歯状に凹凸があり,中脈はなく,平行脈である。ウスバザミアZ.fischeri Miq.はメキシコ原産で,茎は地上に2cmほど出る。羽片は長さ7~12cm,幅2.5~3cm,12~20対あり,葉肉はうすい。ホソバザミア(別名フロリダザミア)Z.floridana L.はフロリダ原産で,羽片は長さ9~11cm,幅6~8mm,14~22対。ヒロハザミアZ.furfuracea L.はメキシコ原産で,羽片は長さ11cm,幅3.5cm,9~10対。褐色の粉をふく。ナガバザミアZ.loddigesii Miq.はメキシコ原産で,茎は地上に20cmほど出る半地中生。羽片は長さ16cm,幅3cm,6~7対,葉柄にとげがある。
執筆者:西田 誠
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報