ザミオクルカス(その他表記)Zamioculcas zamiifolia(Loddiges)Engler

改訂新版 世界大百科事典 「ザミオクルカス」の意味・わかりやすい解説

ザミオクルカス
Zamioculcas zamiifolia(Loddiges)Engler

羽状の複葉を有するサトイモ科の常緑草本で,ときに温室で栽植される。地下に球状の塊茎と太い根を有し,大型で高さ30~60cmになり,数対の小葉を有する葉を根生する。小葉は長楕円形から卵形で革質,光沢がある。葉柄の基部には関節があり,それよりも根もとの部分は膨大している。花茎は短く3~5cm,基部が球状で,上部は舟形となる緑色の仏焰(ぶつえん)苞につつまれ,短棒状の肉穂花序がある。花序の基部は雌花,上部は雄花になっているが,どちらにも花被片があり,雌花の子房は2室でそれぞれ1個の胚珠を有する。雄花には退化しためしべを有する。東アフリカ特産で1種からなる単型属で,特異な形態をしているが,コンニャク亜科に属する特殊な植物と考えられる。よく似たゴナトプス属Gonatopusも東アフリカ産の1種だけの単型属である。葉柄を切って小葉をばらばらにして葉挿しをして繁殖できる。珍奇植物で,観葉植物として観賞される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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