萎れ(読み)しおれ(その他表記)wilting

改訂新版 世界大百科事典 「萎れ」の意味・わかりやすい解説

萎れ (しおれ)
wilting

土壌の水分減少など種々の原因によって生体による水の蒸散量が吸水量を上回るときにおこる現象をいう。真夏の暑い日中に植物がげんなりしぼんでいるのがその典型である。植物の細胞は一般に固い細胞壁でおおわれており,十分に水分を吸収した細胞はその膨圧によっていわゆる張りのある形を維持している。植物体からの水分の蒸散は,主として葉の表面からのクチクラ蒸散気孔からの気孔蒸散による。気孔蒸散では,気孔の開きぐあいに応じて蒸散量が増大し,日中の光合成が活発な時期に最大となる。通常は植物体の水分が失われると,細胞内の浸透圧が高まり水が外部から補われるために水分量は一定に保たれる。しかし,蒸散量が多すぎるか,土壌中の水分の極度な減少などにより,蒸発量にみあう水分が供給されないと膨圧が低下し,しおれ現象がおこる。なお気孔の開閉や吸水機構には植物ホルモンが深く関与していることが知られている。
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