シカギク(読み)しかぎく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シカギク」の意味・わかりやすい解説

シカギク
しかぎく / 鹿菊
[学] Tripleurospermum tetragonospermum (Fr.Schm.) Poped.
Matricaria tetragonosperma (Fr.Schm.) Hara et Kitam.

キク科(APG分類:キク科)の一年草。高さ15~50センチメートル。葉は3回羽状に全裂し、終裂片は糸状である。名は、この細かく切れ込んでいる葉の裂片をシカの角(つの)に見立てたことによる。7~8月、枝端に白い舌状花と黄色い管状花からなる頭花をつける。別名をギンコウライともいうが、これは花が白(銀)色で、全草がシュンギク(コウライギク)に似ているからである。海岸の砂地に生え、北海道、千島樺太(からふと)(サハリン)、中国東北部、シベリアに分布する。北半球の寒地に広く分布するコシカギクMatricaria matricarioides (Less.) Posterは別名オロシャギクといい、北海道には普通にある。舌状花を欠くのでシカギクとは容易に見分けられる。

[小山博滋 2022年2月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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