日本大百科全書(ニッポニカ) 「シマカ」の意味・わかりやすい解説
シマカ
しまか / 縞蚊
昆虫綱双翅(そうし)目糸角亜目カ科ヤブカ属のシマカ亜属Stegomyiaの総称。一般にヤブカともよばれる。小形の種類で、体長5ミリメートル内外。多くの種は黒色で体と脚(あし)に白色の縞(しま)や斑(ふ)があり、胸背部には白色から黄色の縦条がある。普通、昼間活動するカ類で、敏捷(びんしょう)に動き、藪(やぶ)や林間でヒトを襲い、激しく刺す。幼虫はタケの切り株、空き缶、墓石、樹洞などのたまり水で発生する。
日本には、ヒトスジシマカAedes (Stegomyia) albopictusが家屋の周辺に普通に生息するほか、デング熱、黄熱病の病原体を媒介するネッタイシマカAe. (Stegomyia) aegyptiが有名である。ネッタイシマカは琉球(りゅうきゅう)諸島以南の熱帯に分布する。
[倉橋 弘]