しめじめ(読み)シメジメ

デジタル大辞泉 「しめじめ」の意味・読み・例文・類語

しめ‐じめ

[副]
しっとりとぬれるさま。
「しぐれつつうつろふ見れば菊の花色を―降る雨にぞ有りける」〈源順集
もの静かに沈んでいるさま。しんみり。
「―と物語聞え給ふ」〈総角
静かに心を打ち込んでいるさま。
「此の侍従の君を年ごろ―と懸想しけれどもつれなかりけり」〈十訓抄・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「しめじめ」の意味・読み・例文・類語

しめ‐じめ

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. しめり、うるおうさま、また、雨がしずかに絶え間なく降るさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「しぐれつつうつろふ見れば菊の花色をしめしめ降る雨にぞありける」(出典:順集(983頃))
  3. 人の心が静かにうち沈んでいるさまを表わす語。しんみり。しめやかに。
    1. [初出の実例]「しめしめと、人目すくなき宮の内のありさまも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  4. 深く心をうちこんでいるさまを表わす語。つくづく。
    1. [初出の実例]「春風や人を忘れぬつまならむしめしめ物を思ひ出つる」(出典:国基集(1102頃))

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