シュピッタ(その他表記)Julius August Philipp Spitta

改訂新版 世界大百科事典 「シュピッタ」の意味・わかりやすい解説

シュピッタ
Julius August Philipp Spitta
生没年:1841-94

ドイツの音楽学者。ゲッティンゲン大学神学と古典文献学を修めたのち,高等学校のギリシア語・ラテン語教師をへて,1875年からベルリン大学の音楽史教授としてM.フリートレンダーらのすぐれた音楽学者を育て,同時にベルリン音楽大学学長も兼任した。研究領域は中世初期からロマン派にまで及んだが,中心は17~18世紀のドイツ教会音楽にあり,古典文献学の方法を採用した精密な原典批判と,親友であったブラームスの影響による古典主義的な作品評価を特色としている。特に《J.S.バッハ》2巻(1873,80)はバッハ研究の礎石ともいうべき労作であり,《シュッツ全集》16巻(1885-94),《ブクステフーデ・オルガン曲集》2巻(1867,77)の校訂・出版も重要な業績である。彼の弟フリードリヒFriedrich S.(1852-1924)とその子ハインリヒHeinrich S.(1902-72)も教会音楽,とりわけシュッツの研究家として知られている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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