シンクベトリル(読み)しんくべとりる(その他表記)Thingvellir

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンクベトリル」の意味・わかりやすい解説

シンクベトリル
しんくべとりる
Thingvellir

アイスランド西部、首都レイキャビークの東43キロメートルにある史跡。930~1798年の間のほぼ毎年、同国の野外国会アルシンギAlthingiが開かれた場所として重要。地名は「議会の原」の意(vの音をbの音で発音すると猥雑(わいざつ)な意味になるから注意)。溶岩を噴出した幅広い割れ目ギャウがあり、その内側は風を避けられ、清らかなエクサール川が流れ、6月末2週間の議会時に多くの人が天幕生活をするのに便利であった。中心は、アルマンナギャウ上の「法の岩」Lögbergで、近くに歴代議員の天幕敷地が40余りある。1928年以来、国立公園になっている。

[浅井辰郎]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンクベトリル」の意味・わかりやすい解説

シンクベトリル
Thingvellir

アイスランド南西部,首都レイキャビーク東北東 41kmにある野外会議場跡。シンクバトラ Thingvalla湖北岸の風の穏やかな暖かい谷間にある。930年から 1798年まで,アイスランドの国民議会アルシング Althing(あるいはアルシンギ Althingi)が毎年開催され,6月中旬になると全国から集まった代議員やその家族でにぎわった。初期建物はほとんど残っていないが,アイスランドの初期の歴史が展開したこの地一帯は現在国立公園となっている。1944年6月17日のアイスランド独立宣言はここで行なわれた。2004年「シンクベトリル国立公園」として世界遺産文化遺産に登録された。

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