し・シ(読み)し

精選版 日本国語大辞典 「し・シ」の意味・読み・例文・類語

し【し・シ】

〘名〙 五十音図の第三行第二段(サ行イ段)に置かれ、五十音順で第十二位のかな。いろは順では第四十二位で、「み」のあと「ゑ」の前に位置する。現代標準語の発音では、前舌と硬口蓋前部との間の無声摩擦音 ʃ と母音 i との結合した音節 ʃi にあたり、これを清音の「し」という。これに対して、「し」に濁点をつけた「じ」は、ʃ に対する有声摩擦音 ʒ の結合した音節 ʒi にあたるが、普通には、ʒ の摩擦のはじまる前に舌先が歯茎に触れて破裂音を伴い、有声破擦音 dʒ となる。ただし、標準語としては、ʒi と dʒi とを音韻として区別することはない。「し」「じ」はそれぞれ「ゃ・ゅ・ょ」を伴って拗音の ʃa, ʃu, ʃo, ʒa, ʒu, ʒo を表わす。「し」の字形は「之」の草体から出た。「シ」の字形も同じく「之」の草体を三画にとらえたものである。ローマ字では、「ローマ字のつづり方」(昭和二九年内閣告示)第一表に si・sya・syu・syo, zi・zya・zyu・zyo をあげ、第二表に sha・shi・shu・sho, ja・ji・ju・jo をあげている。前者はいわゆる日本式後者はいわゆるヘボン式のつづり方である。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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