漢字、仮名の濁音を示す符号。濁音符ともいう。仮名では、ガ、ジなど、清音の仮名カ、シの右肩に加える゛の印。古くは仮名だけでなく漢字にも用いたが、それらの形には多くの種類があった。いずれも日本で創案されたものだが、もとは漢字の声調(アクセント)を示す声点から発達した。漢字の声点には古く・や゜などを用いたが、清音を表す゜に対して濁音を・、△、
、
などの符号や、清音・に対して濁音‥などが用いられたが、それらのなかで‥が盛んに用いられた。もとは10世紀ごろ漢文の訓点記入の際におこったが、やがて片仮名にも適用され、さらに13世紀ごろからは平仮名の歌文にも広まった。多くは同時にアクセントをも示したが、他方、濁音節だけを特示する用法もあり、古くから右肩の﹅や左傍等の‥や
、…などが使用されたが、近世以降、現行のように右肩に固定した。
[築島 裕]

」などを付すものであった。これが日本語の仮名表記にも応用された。しかしのちになると,声調の表示とは切り離され,また清音表示も省略されて濁音のみを記すことになった。室町時代には右肩の位置に固定し,江戸時代にはいまと同じ形の「 ゛」が一般化した。
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…五十音図のガザダバ4行のかなに対応する音節を伝統的に濁音とよび,かなの右肩につける[
]を濁音符また濁点という。清音に対する濁音であること,また濁音になることを〈にごる〉ということがある。…
※「濁点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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