改訂新版 世界大百科事典 「ジャイサルメール」の意味・わかりやすい解説
ジャイサルメール
Jaisalmer
インド北西部,ラージャスターン州西端部のオアシス都市。人口1万6578(1971)。タール砂漠中に位置し,インダス川下流域との隊商交易で栄えた。1818-1949年には同名の藩王国の主都であった。町は1156年にラージプート族のラーオー・ジャイサル王によって建設され,〈ジャイサルの岩〉を意味する。比高約80mの岩丘の上に城がそびえ,そこに宮殿やジャイナ教寺院がある。町も市壁に囲まれている。インド最良のラクダの産地で,岩塩,羊毛,皮革などを集散。馬具,毛布などの伝統工業のほか工業は未発達。近年,周辺で石油の埋蔵が知られ,ラージャスターン用水路の開通により農業開発がみこまれている。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報