ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
ジヤード・イブン・アビーヒ
Ziyād ibn Abīhi
[没]673. バスラ
ウマイヤ朝イラク三大総督の一人。メッカ近郊の町ターイフのサキーフ族出身。母が奴隷で,父が不明のため,「彼の父の子」,すなわちイブン・アビーヒと呼ばれた。若くからその有能さで知られ,一時は第4代カリフ,アリーのバスラ総督でもあったが,ウマイヤ朝のムアーウィヤ1世により 665年,同じバスラ総督に任命され,670年にはクーファ総督を兼任した。ムアーウィヤは統治者としての彼の能力を評価して,彼は自分の父のアブー・スフヤーンが彼の母に生ませた子であると称したので,彼はジヤード・イブン・アビー・スフヤーンとも呼ばれる。
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