スイセン塚古墳(読み)すいせんづかこふん

日本歴史地名大系 「スイセン塚古墳」の解説

スイセン塚古墳
すいせんづかこふん

[現在地名]橿原市慈明寺町小字スイセン塚

畝傍うねび山西北麓、慈明じみよう寺北の尾根上にある前方後円墳で、前方部をほぼ西に向ける。名称から「大和志」などは綏靖天皇桃花鳥田丘上つきだのおかのへ陵とするが、同陵は四条しじよう町に治定されている。墳丘の長さ約五五メートル、後円部に比して前方部が低平で、狭長なことから古式の前方後円墳であろう。畝傍山周辺は奈良盆地では古墳の少ない地帯で、東麓には同じく前期に属するイトクノ森古墳があるが、中・後期の古墳はほとんど存在しない。畝傍山は古墳時代の中・後期になって、なんらかの理由によって古墳の築造忌避、または敬遠されたものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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