畝傍山(読み)ウネビヤマ

デジタル大辞泉 「畝傍山」の意味・読み・例文・類語

うねび‐やま【畝傍山】

橿原市北西部にある山。標高199メートル。耳成山みみなしやま天香具山あまのかぐやまとともに大和三山という。[歌枕]
大空に雁ぞなくなる―御垣原みかきがはらにもみぢしぬらし」〈夫木・一五〉

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精選版 日本国語大辞典 「畝傍山」の意味・読み・例文・類語

うねび‐やま【畝傍山】

奈良県橿原市にある山。耳成(みみなし)山、天香久(あまのかぐ)山とともに大和三山と呼ばれる。西麓畝火山口神社、東すそに神武天皇陵、橿原神宮がある。「播磨風土記」に記す三山相闘の伝説は有名。標高一九九メートル。慈明寺山。雲根火山。雲飛山。お峰山。

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日本歴史地名大系 「畝傍山」の解説

畝傍山
うねびやま

畝傍山は「日本書紀」神武紀に宇禰縻夜摩うねびやまと訓ずる。「古事記」は畝火山、「日本書紀」は畝傍山と書く。俗におみね山、慈明寺じみようじ山ともいう。文明一六年(一四八四)の畝火坐山口神社石灯籠には「大鳥山」と刻む。「古事記」には畝火山北方の白檮尾上かしのおのへ陵とあり、「日本書紀」には畝傍山東のつわものぐら(皇極紀)、畝傍山東南橿原(白檮原)、畝傍山南御陰みほと(美富登)井・同繊沙谿まなごだに(真名子谷)など、同山からの方位・地名を記す。

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改訂新版 世界大百科事典 「畝傍山」の意味・わかりやすい解説

畝傍山 (うねびやま)

大和三山の一つ。奈良県橿原市にある山で標高199m。神武天皇が南東麓の橿原宮で即位したと伝える。神武・安寧・懿徳(いとく)天皇の山陵も畝傍山の麓に所在すると伝承されていた。畝傍山の麓および南接する軽(かる)の地は,蘇我氏の本拠地の一つであり,畝傍家や石川宅,槻曲家(つきくまのいえ)等が所在していた。現在,西麓にある畝傍山口神社はかつて山頂にあった。大阪の住吉大社新嘗祭における埴使いの神事も著名であった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「畝傍山」の意味・わかりやすい解説

畝傍山
うねびやま

奈良県中西部、橿原(かしはら)市にある山。標高199メートル。『古事記』には畝火山、『日本書紀』には畝傍山と書かれている。お峰山(おむねやま)、慈明寺山(じみょうじやま)ともいう。天香久山(あめかぐやま)、耳成山(みみなしやま)とともに大和三山(やまとさんざん)として知られ、三山のなかで最高峰。山麓(さんろく)は片麻岩、中腹以上は黒雲母(くろうんも)安山岩からなり、火山の一部分が鐘状をなす。山麓周辺には橿原神宮をはじめ、記紀に記される神武(じんむ)、綏靖(すいぜい)、安寧(あんねい)、懿徳(いとく)の4天皇陵があり、史跡に富む。また『万葉集』の嬬(つま)争いの伝説歌のほか、多くの古歌に詠まれている。

[菊地一郎]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「畝傍山」の意味・わかりやすい解説

畝傍山
うねびやま

奈良県奈良盆地の南部にある山。標高 199m。耳成 (みみなし) 山天香具山とともに大和三山の一つ。高度は低いが平野にあるため目立つ。頂上付近の急傾斜部は黒雲母安山岩,中腹以下の緩傾斜部は片麻岩から成る。南東の盆地が飛鳥の地で,奈良朝以前の大和朝廷の都がたびたびおかれた。山麓には日本建国の地と神話で伝えられる橿原神宮,神武天皇陵,その他の皇族,貴族の陵墓,古墳や史跡が多い。

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百科事典マイペディア 「畝傍山」の意味・わかりやすい解説

畝傍山【うねびやま】

奈良県橿原(かしはら)市にあり,大和三山の一つで,万葉にもうたわれた名山。標高199m。頂上部は黒雲母安山岩,中腹以下は片麻岩からなる山で,付近に天皇や古代豪族の陵墓が多い。

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事典・日本の観光資源 「畝傍山」の解説

畝傍山

(奈良県橿原市)
大和三山」指定の観光名所。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「畝傍山」の解説

畝傍山
うねびやま

大和三山(やまとさんざん)

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世界大百科事典(旧版)内の畝傍山の言及

【大和三山】より

…奈良盆地南東部の畝傍(うねび)山(慈明寺山とも。標高199m),耳成(みみなし)山(140m),天香久(あまのかぐ)山(152m)をいう。…

※「畝傍山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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