スコーダ(読み)すこーだ(その他表記)Josef Skoda

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スコーダ」の意味・わかりやすい解説

スコーダ
すこーだ
Josef Skoda
(1805―1881)

オーストリア内科医ボヘミアピルゼンの貧しい家に生まれる。苦学して1831年にウィーン大学を卒業、医師となった。大学の助手として、打聴診法の研究に没頭し、1839年『打診と聴診』の著書を公にし、鑑別診断法の基礎を確立した。1848年科学学士院会員となった。聴診法を考案したラエネクが主として肺疾患を研究の対象としたのに対し、スコーダは心疾患に興味をもった。彼の名を冠した医学用語、スコーダの打診音、水泡音などを後世に残している。彼は診断に主力を注ぎ、必要以上に多用された治療に反対する「治療のニヒリズム」を特徴としたといわれる新ウィーン学派の代表の一人である。また従来の習慣であるラテン語による講義をドイツ語に切り替えた最初の教授でもある。

古川 明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android