聴診(読み)ちょうしん(英語表記)auscultation

精選版 日本国語大辞典 「聴診」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐しん チャウ‥【聴診】

〘名〙 主に聴診器を使って体内で発生する音を聞きとり、正常な状態か、異常であるかを確かめること。診断診察のための重要な手段
金毘羅(1909)〈森鴎外〉「胸部打診や聴診をしてしまって、体温を測ってゐるとき」

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デジタル大辞泉 「聴診」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐しん〔チヤウ‐〕【聴診】

[名](スル)医師患者の体内で発生する音を聴き取り、診断すること。

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改訂新版 世界大百科事典 「聴診」の意味・わかりやすい解説

聴診 (ちょうしん)
auscultation

身体から発する音の異状から病気を診断する技術。人体では音を発生する臓器がいくつかあり,弁の開閉血液の流れによって生じる心音と,呼吸運動にともなう空気の流れによって発生する肺音が代表的なものである。このほかに腸の蠕動(ぜんどう)にともなって生じる腸音(グル音)や太い血管中の血流が発する血管音などがある。聴診は,これらの音の性質を聴診器によって身体の外から聴きとり,その異状から内部の病変の存在やその種類を判断する。ときには患者に声を出させ,その音の胸壁への伝わり方から判断することもある。聴診が最も使われるのは心臓と呼吸器疾患の診断の際である。

 聴診の歴史は古く,ヒッポクラテスの書物の中に,死の際に胸部に耳を押しつけると聞こえる〈酢がたぎるようなかすかな音〉や胸膜炎のときの〈革ひもをこするような音〉が記載されている。18世紀初め,R.フックは,心臓の鼓動や腸のガスの動き,肺や関節の音についてふれ,〈体の内部の動きを,そこから発する音によって知ることができよう〉と予言した。このような身体の音の医学的応用が広く行われるようになったのは,1816年R.T.H.ラエネクによる聴診器の発明と,その後の聴診学の発展によっている。近年X線写真をはじめとする診断技術の進歩のかげで,聴診学は軽視される傾向にあるが,最も簡便で患者に苦痛を与えない聴診法が,打診法とならんで,診断学の基本となっていることには変りはない。
聴診器
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「聴診」の意味・わかりやすい解説

聴診
ちょうしん
auscultation

体内で自然に生じる振動を,体外から聴診器を用いて耳で聞いて診断する方法。古くは直接耳を当てて聞く方法が行われた。聴診器には単耳型 (トラウベ型) と双耳型とがあるが,一般には双耳型が用いられている。呼吸音,心音,脈管音などの聴診は,今なお病気の診断に欠かせない手段である。

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世界大百科事典(旧版)内の聴診の言及

【医療】より

…内科系の診療科目として,内科,小児科,精神科,消化器内科,循環器内科,呼吸器内科,神経内科などがあり,外科系の診療科目として,外科,眼科,耳鼻咽喉科,口腔外科,産婦人科,泌尿器科,皮膚科,整形外科,脳外科,胸部外科,放射線科などがある。
【診断】
 診断とは,患者が訴えるいろいろな病気の症状を,医師が以下のような問診,視診,触診,打診,聴診,および種々の臨床検査によって病気を見きわめることである。診断は,その病気が何病であるかをきめるだけでは完全ではない。…

【聴診器】より

聴診を行うために身体の外側から音を聴くための用具。1816年フランスのR.T.H.ラエネクによって発明された。…

※「聴診」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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